酸塩基平衡の基礎~酸塩基平衡を保つためのしくみ~

Ⅱ 酸塩基平衡に果たす肺、腎臓の役割

体内では、食事や代謝、呼吸によって酸が産生されているが、これらの酸は細胞にとって有害なため、生体には、できるだけ血液pHの変化を少なくし、速やかに酸を排泄する仕組みが整っている。以下に、全体像を図示するが、血液pHの変化を少なくするうえでは、炭酸—重炭酸緩衝系を中心とした緩衝系(SectionⅢの図3参照)が、酸の排泄においては肺と腎臓が重要な役割を果たしている。
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血液の酸塩基平衡は、緩衝系による酸の中和、肺からの二酸化炭素(CO2)排泄と、腎臓での重炭酸イオン(HCO3-)再生と酸の排泄により保たれており、血液のpHは7.40±0.05と非常に狭い範囲で調整されている。図2においては、右のビーカーの水面レベルが血液のpHを表しているが、これを一定に保つため、食事や代謝で負荷されたHのレベルに応じて緩衝系が風船のごとく反応し、体への酸の負荷を軽減している。炭酸-重炭酸緩衝系は、CO2は肺で、HCO3を腎臓で排泄調整ができることから、長期的な調節において重要な働きをしている。
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●肺と腎臓の役割

肺の役割
代謝により産生されたCO2を呼吸により排泄する。そのため、CO2は揮発性酸とも呼ばれる。CO2排泄に最も重要なのは肺胞換気量であり、通常は血中のPaCO2を感知して、呼吸回数や深さの調整が行われている。換気障害により呼吸性の酸塩基平衡障害を起こす。

腎臓の役割
酸の排泄と、緩衝系で失われたHCO3の再生を担う。腎臓では肺からは排泄されない不揮発性酸の排泄を行っている。HCO3の増加や減少による酸塩基平衡障害を代謝性の酸塩基平衡障害という。
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●揮発性酸と不揮発性酸

体内で産生される酸はその排泄経路から次の2つに大別され、それぞれ肺と腎臓から排泄される。

  揮発性酸:炭酸のことであり、主にCO₂として肺から排泄される
 不揮発性酸:蛋白質などの代謝によって生じる酸(リン酸、硫酸、硝酸など)で、腎臓から排泄される


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